姫島

重要度

姫島 (ひめしま)

【概説】
大分県の国東半島北沖に位置する瀬戸内海西端の島。縄文時代における西日本最大級の黒曜石の産地であり、その製品や原石は広大な海上交易網を通じて九州・四国・中国地方へと流通した。

良質な「白灰色黒曜石」の産地

姫島は火山活動によって形成された島であり、地質学的に極めて貴重な黒曜石(石器の原材料となる火山ガラス)を産出する。姫島産の黒曜石は、一般的な漆黒色のものとは異なり、乳白色から灰色を帯びた「白灰色」や「斑点状」の特徴を持つ。この独特な外見は、考古学研究において産地を特定する強力な手がかり(鍵石)となっており、西日本各地の遺跡から出土する石器の移動経路を明らかにする上で極めて重要な役割を果たしている。

海を介した縄文人の広域交易ネットワーク

縄文時代の姫島は、単なる石器材料の採取地にとどまらず、海上交通の結節点として機能していた。島から切り出された黒曜石は、対岸の九州本土にとどまらず、瀬戸内海を渡って四国地方、さらには中国地方の本州側にまで広く流通していた。これは、縄文人が当時の脆弱な設備からは想像できないほど高度な航海技術と、海を介した組織的な広域交易ネットワークを有していたことを実証する歴史的物証である。

黒曜石3万年の旅 (NHKブックス 1015)

黒曜石の流通から先史時代の広域ネットワークと交易のあり方を鮮やかに解き明かす、壮大な人類史の記録。

日本旧石器時代史 増補版 (考古学選書)

出土資料の精緻な分析を通じ、日本列島における人類の定着と技術発展の軌跡をたどる本格的な通史の決定版。

日本史一問一答(ランダム)

Q. 5世紀後半から6世紀にかけてヤマト政権が地方に設置した、大王家の直轄の領地を何というか?
Q. 更新世の日本列島に生息し、ナウマンゾウとともに旧石器時代の人々の狩猟の対象となった、巨大な角を持つシカは何か?
Q. 飛鳥寺式の伽藍配置に見られる、1つの塔の周りに3つの金堂が並ぶ特徴を漢字5文字で何というか?